
無言館展、閉幕まで残り2週間!
5月末となり、緑が美しい季節になりました。
美術館周りの木々も青々として、晴れの日の青い空とのコントラスト、雨の日の艶っぽい色合い、どちらにも心惹かれます。
さて4月10日より開催中の「無言館展―遺された絵画からのメッセージ―」。閉幕まで残り2週間となりました。
無言館は、全国各地の戦没画学生の作品を収集・展示している長野県上田市の美術館です。
本展では普段陳列されていない約130点をお借りし、「望郷」「家族」「自我」「恋」「夢」の5つのテーマから、作品―画学生たちの生きた証―をご紹介しています。
館主の窪島誠一郎さんは、画学生の作品を集め、無言館を建てたことについて、今でも後ろめたさを感じているそうです。
あの時代を確かに生き、ひたすらに絵を描いた画学生の痕跡を紹介する意義と、一方で出自も作風も異なる彼らの了承も得ずに、「戦没画学生」という枠で括り展示してしまっていることの間で葛藤を抱き続けていると、5月5日に開催された講演会では語って下さいました。
「戦争と平和」というテーマについて思いを馳せることは確かに重要ですが、窪島さんも語るように、何よりも彼らの描いた作品に触れてもらいたいとの思いから、展示室の照明は普段よりも明るく設定しています。
そして展示室に並んでいる一つ一つの作品をじっくり見ていると、画学生それぞれの個性が表れていることに気づきます。
花々や木々などの自然に美しさを感じた学生、日常風景を愛した学生、巨匠の技法を自らの作画に取り入れようとした学生、愛する人を描いた学生。
カンバスに表現された、彼ら一人一人の眼差しを追体験いただければと思います。
ショップでは公式図録も販売しておりますので、ぜひお手にとってご覧ください。
詳しい情報は展覧会ページをご覧ください。