館長ノート

「アナタにツナガル」展で、空家問題を考える

「アナタにツナガル」展、始まってから3週間。一風変わった展覧会ですが、じわじわ反響がひろがっています。

この間の日曜日には、お母さんの介護をテーマに作品を制作する折元立身さんがトークに登場。お父さんやお母さんのことを愛情込めて熱っぽく語る言葉に40人ほどのお客様がじっと聞き入りました。最後はパン人間のパフォーマンスもあり、大いに盛り上がり。なかには、オープン初日、目の不自由な方と一緒にパン人間を体験するイベントに参加された方もいて、折元ファン誕生の兆しも。
朝日新聞や新潟日報に取り上げられ、テレビの取材も相次いでいます。美術とは普段縁のない介護や福祉、都市問題などに関わる作品が多いので、その分関心が広がっているようです。
来週3月13日の日曜日には、同じ出品作家の岩井成昭さんが登場。今回の映像作品の制作をお手伝い頂いた国際映像メディア専門学校のナシモトタオさんとのトークが予定されています。
岩井さんは秋田市在住、空家問題をリサーチした作品を制作していますが、新潟でも何軒かの空家を訪れ、新作を制作しました。最近、どこの町でも普通に見かける空家。少子高齢化に伴う人口減少という事態に直面する日本社会を象徴していると言っても良いでしょう。展示室に出現した2階建ての家は、実際に調査した3件の家の間取りを1軒に複合したもの。家のなかを巡っていくと、無人の部屋に残された家具調度の映像が浮かび上がり、かつてその部屋で暮らした人の生活や人生を偲び、想像する言葉が聞こえてきます。まるでその家の霊が立ち現われたような・・・。しんみりと考えさせられる作品です。

「アナタにツナガル」展は、2度目から割引になるリピーター割引もあります。是非、時間をかけてご覧ください。

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