館長ノート

今日は、カフェでひと休み。

西大畑公園の木々もすっかり葉を落として、早くも冬のよそおいです。開催中の「川村清雄展」は見ごたえ十分。初代新潟奉行・川村修就(ながたか)を祖父に持つ、江戸っ子画家の「油絵で描く日本画」は不思議満載。迫力満点リアルな滝や存在感あふれるヒラメや鳥は視線を捉えて離しません。

お楽しみ頂いた後は、7月のリニューアルで新装なったカフェでひと休みはいかがでしょう。「こかげカフェ L’ombrage(ろんぶらーじゅ)」がお店の名前。L’ombrageとは、フランス語でこかげだそうです。西大畑公園からも気軽に入れるというコンセプト。暑い夏の日優しく迎えてくれるこかげのような、そんな居心地のいい空間に生まれ変わりました。無論、夏が過ぎ、木枯らしの季節にも温かく迎え入れてくれるくつろぎの場所です。

足場板を転用した長テーブルやちょっと低めの四角いテーブル、ソファがゆったりと配置された店内は、素材感あふれるナチュラル感覚で統一されています。メニューもそんな空間にぴったりの、ベーグルとサラダのセットや、季節の野菜がのったマイルドな味わいの十六穀米ドライカレーなど、ヘルシーフードが中心。ゴマ、トマト、イチジクなど、いろいろな味のプチ・ベーグルが楽しめるベーグル・ビュッフェは女性に大人気のようです。コーヒー、ルイボス・ティーなどドリンクのレベルも高く、好評です。
ときおりランチにお邪魔するのですが、いつも新潟マダムやファミリーでにぎわっています。きっと、オーナー若山さんの熱心さが伝わるのでしょう。みなさん、気持ちよく食事され、おしゃべりを楽しまれています。展覧会やコレクションの充実はもちろんですが、カフェやショップなど、いろいろな楽しみ方ができるのが良い美術館の条件とわたしは考えています。その意味では、一歩踏み出せたかなと思っています。
晩秋の午後のひととき、カフェでゆったりした時間をお過ごしください。

kokagecafe