館長ノート

「みんなのアムステルダム国立美術館へ」トーク、シネ・ウインドで。

最近、美術館についてのドキュメンタリー映画がよく話題になります。なかでも、新聞や雑誌に取り上げられ、評価が高いのが「みんなのアムステルダム国立美術館へ」という作品。あのレンブラント《夜警》やフェルメール《牛乳を注ぐ女》を所蔵していることで知られる名門美術館。大分以前ですが、私も2度ほど訪れました。

2004年、その美術館の改修工事が始まるのですが、従来美術館の建物を貫通していた自転車専用道路の使用が制限されることが判明。問題視したサイクリストたちの抗議で、議論が沸騰。結局計画の見直しで工事は10年におよび、2013年にやっと開館したというお話。(もちろん、その間、館は閉鎖されているわけですが、学芸員たちは無論遊んでいるわけではなく、作品を修復したり、新たな展示計画を立てたり、壁の色について延々と議論したり、猛烈に忙しいのです。)何とも気の長いというか、草の根民主主義の時代における公共性とはなにかということを考えさせられる、ふか~い映画であります。

折から、新潟市美術館も改修工事中。あちらの10年に比べると、休館は9カ月、規模も予算額もケタ違いですが、それでも「みんなの新潟市美術館へ」という思いは同じ。そんなわけで、今回シネ・ウインドで「みんなのアム美へ」が上映されるに当たって、支配人の井上さんから映画の感想を話すかたわら、市美の改修工事についても話してみませんか、というお誘いをいただきました。お言葉に甘え、4月18日(土)の12時10分からの上映が終わった後の、幕間のトークです。こんな風に変わるよ!という画像も紹介します。興味ある方は是非お越しください。なにより、「みんなでつくったみんなの美術館」という涙ぐましい映画。映画ファンも美術ファンも必見です!!