新潟市美術館ブログ

コレクション展Ⅱのおすすめ作品―市展期間もコレクション展は開催中です―

蒸し暑い日々から一変、肌寒い季節となりました。
西大畑公園の木々の葉も色づきはじめています。

現在、当館企画展示室では新潟市民の方々による公募展「新潟市展」が開催されていますが、
常設展示室にてコレクション展Ⅱ「シュルレアリスムのひろがり/涼を愛でる」を引き続き開催中です。そして市展期間の10月23日(日)までは、コレクション展を無料でご観覧いただけます。                                  当館の所蔵品をお気軽にご覧いただける、絶好の機会です。

そこで今回は現在開催中のコレクション展Ⅱ「シュルレアリスムのひろがり/涼を愛でる」の出展作品の中から、おすすめの作品をご紹介します。

まずは、小展示室のマックス・エルンストの《ニンフ・エコー》。所蔵品の中でも名品とされる作品の一つです。画面中央の奇妙な生物に目を奪われますが、よく見てみると森の中の至るところに女性の姿が…。この女性は、ギリシャ神話に出てくる森の妖精・エコーです。罰を受けて木霊になった彼女が描かれたこの作品からは、どこか不穏な空気を感じますね。
小展示室ではそのほかに、ルネ・マグリットの《博学な樹》やアルベルト・ジャコメッティの《見つめる頭部》など、当館の誇るシュルレアリスムの名品がご覧いただけます。
こちらも併せてお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

次に中展示室の阿部展也の作品の数々。当館では新潟ゆかりの画家の作品も多く所蔵しており、
五泉市出身の画家・写真家である阿部展也は、最も収蔵数の多い画家です。
本展では、瀧口修造との詩画集『妖精の距離』をはじめ、素描や油彩画を含めた22点を展示しています。『妖精の距離』は、阿部展也が画家として本格的に活動し始めるきっかけとなった作品です。
お見逃しなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、大展示室の大岩オスカールの《5つの船》。この作品はブラジル出身の作者が、2009年の「水と土の芸術祭」に招かれて新潟市を訪れた際、市内各地で取材を行い、新潟市美術館内で制作しました。そのため画中には、豪農の館・旧笹川家住宅や栗ノ木排水機場など新潟ゆかりの建物が描かれています。画面の中央に並んだ「5つの船」も新潟にまつわるものです。
また同じ大展示室で展示している、倉石隆の《北の街》、岡本唐貴の《万代橋(信濃川)》は、新潟で暮らす人々にとって馴染み深い光景や場所が描かれています。これらをみていると、懐かしさを感じたり、親近感がわいてきますね。作品を通じて、改めて「新潟」の魅力を発見できるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ほかにも多様な表現の作品が並びます。ぜひお気に入りの1点を見つけてみてください!

コレクション展Ⅱは10月23日(日)までの開催です。10月28日(金)からは、コレクション展Ⅲが始まります。次のコレクション展は、「彫刻」と「新収蔵品」がテーマです。
お楽しみに。

皆さまのご来館、お待ちしております。
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