新潟市美術館ブログ

コレクション展Ⅱ、開催中!

暑い日が続いています。季節はいよいよ夏本番。
そんな中、当館常設展示室では「コレクション展Ⅱ」を開催中です!
本展では、当館の収蔵品80点を3つのテーマに分けて展示しています。


まずは「画中のメディア」。ピカソの《ギターとオレンジの果物鉢》や大統領と自身の顔写真を用いた郭徳俊の《ブッシュ2001(Ⅱ)と郭》など、画中に新聞や写真が取り込まれた作品が並びます。《ギターとオレンジの果物鉢》はコレクション展Ⅰでも展示した作品ですが、画中に描かれる”メディア”に注目してみるとまた違った視点でお楽しみいただけます。

そして「新収蔵品 佐藤哲三・末松正樹」。ここでは近年ご寄贈いただいた新潟出身の二人の画家の作品を特集します。佐藤哲三は新発田市を拠点に活動し、蒲原平野やそこで暮らす人々の絵を描きました。本展では、《原野》をはじめとする風景画や2019年にご寄贈いただいた《少女》を含め8点を展示。新潟に住む人には馴染み深い風景や、どこか懐かしさを感じる色合いをお楽しみください。また末松正樹は新発田市出身の作家で、主に抽象画家として戦後に活躍しました。本展では、戦後に制作された油彩画のほかに、戦中南仏ペルピニャンのホテルに収容されていた頃に描いた素描約30点を紹介します。素描からは、具象的に描かれていた人間の姿が次第に抽象的になっていく様が垣間見え、のちに抽象画を描くようになるまでの過程がうかがえます。作家・末松正樹の軌跡を辿ってみてはいかがでしょう。

最後に「わたしと戦争体験」。戦争を経験した画家たちはどのような表現の拡がりを見せたのか。中には「戦争」というシリアスなイメージとは相反するようなポップな色づかいで描かれた作品も展示しています。これらの作品から表現の多様さを感じていただけるのではないでしょうか。

ほかにも夏を感じられるような作品を展示しています。美術館で夏を味わうのもいいかもしれませんね。

コレクション展Ⅱは、12月6日(日)まで開催しております!
会期中には、一部の作品の展示替を行いますので、企画展と合わせて是非お楽しみください。