新潟市美術館ブログ

コレクションで巡る、描かれた「住まい」「建物」。

企画展示室では「インポッシブル・アーキテクチャー」が会期終了間近ですが、お隣の常設展示室ではコレクション展Ⅰ「SUMU -すむ- あなたのおうちはどこですか」が8月4日まで好評開催中です。

私たちの暮らしに、なくてはならない家。この展示では、作家の描いた住まいや建物をご紹介しています。今回のブログでは、展覧会の構成を簡単にご紹介します。どんな風に楽しむかは人それぞれですが、どんな風に作品と向き合うか、ちょっとした手助けになればと思います。

 

展覧会の冒頭、第1章では家や建物は見当たらず、動物たちが暮らす森が広がります。
私たち人間の祖先は、自然豊かな森で生活していました。人間のはじめの住処、そして動物たちが今も暮らす森とはいったいどんな場所なのでしょうか?
皆さんが持つ「森」のイメージと比べてどうでしょう。動物がたくさんの楽しい作品もあれば、不思議な生き物がいる不穏な雰囲気漂う作品もあります。

第2章では、日本やその他の国々の観光名所的な建物が描かれた作品が並びます。
私たちも異国を訪れた時には、その国ならではの伝統的な建物を目にし、そこに場所の歴史や風土、文化を感じます。
画家たちもそれは同じようで、印象的な建築物を作品にしています。
行ったことのある国、行ってみたい場所はありますか?キャプションには建物の説明が丁寧についているので、旅先の候補を探すつもりで多様な建物をお楽しみください。

第3章は、建物の内部に目を向けて、さまざまに描かれた家具を見る事が出来ます。
そこに見えるのは、暮らす人々の記憶でしょうか。身近なものだからこそ、どんな家か、どんな人が使っていたのか、想像がふくらみます。

第4章の「迷宮 増殖する都市と空間」では、迷宮やバベルの塔から、宇宙空間のような抽象的な作品まで、都市や建築物のイメージが広がります。
非現実的なイメージも、現実世界のどこかにその源泉があるかもしれません。
作品という迷宮に迷い込んだつもりで、思いを巡らせながら味わってみてください。

担当の学芸員によるギャラリートークは、7月27日(土)14:00~予定しております。
展示作品をより深く味わえるチャンスをお見逃しなく。
展覧会について詳しくはこちらをご覧ください。

これから夏本番。
本格的に暑い季節が始まりますが、ぜひ涼しい美術館でゆっくりと作品鑑賞を楽しんでください!