新潟市美術館ブログ

市内の中学校から、職場体験生がやってきました!

市内の中学校から、職場体験生がやってきました!

2月19日から3日間、2名の中学生が職場体験に来てくれました。
学芸業務、受付や看視業務の体験を行ってもらいましたが、美術館の広報業務の一つとして、作品の紹介文を書いてくださいました。
ご紹介いたします!

****

アレクサンダー・カルダー。彼は動く“モビール”の発明者である。
「赤、空中のデイジー」はカルダーのモビールを使った作品で、1954年に制作されたものである。私はこの作品に出会ったとき、実は1回気づかずに通りすぎていた。しかし、母に「上にもあるよ」と言われて上を見たとき、私は驚いた。空気の流れによって動くモビールのかたちはまさに“偶然”のかたちである。さらに、モビールが動くことによって光の当たり方や見えるところが変わり、ゆれて角度が変化していく様子はその瞬間にしか見れないかたちになる。また、モビールの枝の部分がかげをつくり模様となる様子や、光の当たり方によってモビールの色が赤、ピンク、オレンジやはだ色になったり、かげになる部分が黒や暗い赤色に変わるところも魅力的である。
動くことで「また違うかたちを見ることができる」というワクワク感をぜひ多くの人に味わってほしいと私は思う。

****

内海信彦さん作の「INNERSCAPE 1993 : MANIFESTATION」。墨流しとよばれる技法で1993年に描かれた作品で、黒や緑など、墨特有の濃淡がある暖かい寒色が目になじみどこか懐かしい雰囲気が感じられます。
所々赤や黄が混じっていて、近付けば少しのアクセントになり、遠退けば違和感なく一体化する、不思議で動きのある作品になっています。個人的な主観ではありますが、私の場合流れに沿って緑や黒が流れているのに長寿の御神木、特にうろの辺りを彷彿とさせました。
人それぞれ見方も変わり、、作者の内海さんにも別の何かが見えているかもしれない、そんな“偶然”を是非一度眺めに立ち寄ってみては如何でしょう。

****

お二方とも、作品をじっくり見つめて、出会った時の感動、見るうちに湧き出る思いを、丁寧に文章にしながら、作品の面白さを伝えてくれました。

カルダーの動く彫刻《赤、空中のデイジー》は空気の流れに影響され、その時々によって作品の形が変化します。内海信彦《INNERSCAPE 1993 : MANIFESTATION》は、大型の作品で、離れてみても近くで見ても迫力があり、流れるようなイメージが私たちの想像力を刺激します。

紹介文を読んで、見てみたい!と思われた方も多いのではないでしょうか。
どちらも見れば見るほど面白い作品です。ぜひ美術館で本物の作品をご覧ください。