新潟市美術館ブログ

青児美人に会いに…東郷青児展、開催中です!

新潟市内でも雪がふり、美術館も白く覆われています。
そんな美術館内では、「東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館収蔵 東郷青児展」開催中です!

今回の展覧会では東京にある損保ジャパン日本興亜美術館から、東郷絵画の変遷をたどる約80作品をお借りし、展示しています。
東郷の作品に登場するのは、透きとおるような肌、しなやかなしぐさ、伏し目がちで夢見るような表情の「青児美人」。多くの方がこの美しい女性像を目にしたことがあるはず。
ですが、実物の作品を目にする機会は珍しいのではないでしょうか。実物をじっくりご覧いただくと、印刷ではわからない、東郷の筆遣い・美しい仕上げに気づくでしょう。

 

例えば、《四重奏》の四人の女性たちの髪の毛は、遠目では真っ白に見えます。しかし近寄ってみると、髪のウェーブを筆の刷毛目で繊細に表現しています。そして、肌や身に着けた服は筆跡をまったく残さずになめらかに仕上げています。質感によって東郷が確かに描き分けをしていたことが伺えます。
様々なテーマで女性像を多く描いていますが、東郷はどのように女性を見、表現しようとしたのか…実物の作品を鑑賞することで感じ取っていただければと思います。
また、会場内には東郷とモデルやりとりの様子を、虚実を交えて書き出した文章「しろとのもでる」もご紹介しています。展示中の文章では、ほかに「クロッキーのコツ」も必読。技術的な面はさておき、モデルとなる女性の扱い方を語ったような興味深い文章です。
東郷の大人な雰囲気たっぷりの作品と文章、共にお楽しみください!

 

ちなみに、展覧会図録『東郷青児 絵と言葉』にも作品と文章を掲載しています。700円、A5サイズで値段も大きさも大変お手頃です。ショップでぜひお手に取ってご覧ください。

2月以降も、ギャラリートークや講演会など、イベントを多数予定しております。
くわしくは展覧会ページをご覧ください。

皆さまのお越しをお待ちしております!