新潟市美術館ブログ

「悪い絵」ってどんな絵?-コレクション展Ⅲ

1月22日(金)より、今年度3本目のコレクション展が幕を開けました。
タイトルは「悪い絵?」。
インパクトのあるタイトルのせいか、オープン前から「どんな展覧会なの?」と問い合わせもありました。

よく聞かれるのが「良い絵」と「悪い絵」の違いってなに?という疑問です。
この展覧会では、「これが良い絵です。」「これは悪い絵です。」と作品にレッテルを貼って紹介しているわけではありません

むしろ「良い絵・悪い絵ってなんだろう?」という疑問について、みんなで考えてみよう!というのが本展のコンセプトなのです。

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例えば、ピカソやゴーギャン、ロダンなど、名品コーナーに見えるこのエリア。実は「かつて悪い絵と呼ばれていた絵」として展示されています。

特に注目したいのは、マックス・エルンストの油彩です。第二次大戦時、エルンストの作品はナチスに「悪い絵」だと判断され、それらを集めた「退廃芸術展」に出品されました。その出品作は、現在ニューヨーク近代美術館に収蔵されていますが、当館の≪ニンフ・エコー≫はこれと同年代に描かれたもので、とてもよく似ています。時代や評価者によって「良い絵」「悪い絵」の判断基準が変わってしまうことを私たちに示しています。

 

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 郭徳俊 ≪0計量機と石≫ 1970年

 

他にも、「子どものいたずら?」「引用は悪か?」「戦争という悪」「ついひかれてしまうワル」をテーマに、いつもと違う角度から作品に光を当てています。

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関連イベントとして、2月20日(土)には美術講座「美術の中の善と悪」、21日(日)にはふれあいガイド、27日(土)にはギャラリートークを予定しています。合わせてお楽しみください。
展覧会は4月3日(日)まで開催しています。