新潟市美術館ブログ

返すまでが展覧会です。

6月26日、好評のうち閉幕した舟越桂展。観覧者の方々の心に残ったあの作品、この作品…その後どうなったのか??のレポートです。

閉会後、数日かけて作品のコンディションを一つひとつチェックし、梱包していきました。一年間におよぶ本巡回展を通して担当していただいた修復家の方、美術専門作業員の方々と一緒に、名残を惜しみつつ、丁寧に、かつ冷静に作業していきます。

輸送に耐えるよう丁寧に梱包します

輸送に耐えるよう丁寧に梱包します

「作品どうし、きっと夜中に、『キミは北海道に帰るのかあ。』『ワタシは舟越さんのアトリエに戻るのよ。』などと語り合っているのかも」とは、テレビ局のご担当者さんの言。

6月30日より、いよいよ作品を美術品専用車両に載せ、輸送します。しめて4tトラック1台、11tトラック2台分!学芸員も同乗し、作品返却の旅のスタートです。

一路北海道までひた走ります!

一路北海道までひた走ります!

当館が担当したのは、栃木・東北~北海道エリアへの作品10点の返却。美術館や個人など、各ご所蔵の方々のもとに届けます。到着したら、梱包を解いて点検。ご所蔵者の方々と作品の状態を確認し合います。

担当としては、一つひとつの作品をお返しして、トラックの荷台が軽くなるたび、少し寂しい気持ちに。けれど、どこに行っても、所蔵者の方が「久しぶりだねえ」と作品と見つめ合っていて、作品が愛されているのをひしひしと感じましたし、お借りできて本当に良かったなと感謝の気持ちもひとしおでした。

さあ、つぎは、同じように全国各地から集められた徳川家の名宝が皆さんを待っていますよ!