新潟市美術館ブログ

ミュージアム・コンサート「横坂源―チェロとともに生きる」開催

横坂源さん演奏の様子 美術にとどまらず,さまざまな表現に触れてもらおうという「ニイガタ・クリエーション」展。去る2月22日(土)には,講堂にチェロの音色が満ち溢れました。

 ミュージアム・コンサートにご出演いただいたのは,こちらも新潟市の誇る才能,チェリストの横坂源さん。15歳にして全日本ビバホール・チェロコンクールで最年少優勝を果たして以来,国内外での受賞多数。2010年には最難関で知られるミュンヘン国際音楽コンクールでも2位を受賞と,まさに新潟から世界へ羽ばたく注目の演奏家です。

この1月31日には,西区で一日区長を務め,リサイタルを行ったばかり。この日のコンサートも2月のはじめにはすでにチケットも完売となり,会場はファンのみなさんの熱気に包まれました。

プログラムはチェロの定番,バッハの無伴奏組曲から現代曲まで幅広く,黛俊郎作曲の「文楽」では鋭い鼓の音色を再現したかと思えば,カザルスの「鳥の歌」では平和を願う心情が豊かに歌いあげられました。間近で,生音で聴くチェロの響きの,なんとつややかで表情豊かなこと!!
楽器の説明,そしてチェリストの仕事を,毎日同じ作業を繰り返す「職人」のようでもあり,コンサートという締切に向かって作品を仕上げていく「漫画家」のようでもあり,過去の作曲家たちの心を訊ねる「探偵」のようでもある,というたとえでお話くださったのも,印象に残っています。
なんといっても,子どものころよく遊びに来ていたという西大畑公園の思い出は新潟に住むわたしたちにとってはうれしいエピソード。
最後には「チェロにぴったりの広さだったからぜひまたここで弾きたい・・・」という言葉まで。
チェロの音色に酔いしれた,至福の時間でした。ますますのご活躍,お祈りしています! そしていつかまた,美しい音楽を聞かせてくださいね!