清水勲さん講演会「漫画史の中のサザエさん」好評開催
2013.06.12
6月9日(日)、『サザエさん!展』関連イベントとして、清水勲さん(漫画・風刺画研究家、元帝京平成大学教授)をお迎えし、「漫画史の中のサザエさん」と題したご講演を頂きました。
清水先生は、ジョルジュ・ビゴー、チャールズ・ワーグマンといった明治初期に来日した画家たちの風刺画研究をはじめ、『漫画の歴史』『四コマ漫画』(いずれも岩波新書)のような通史など、80冊以上の著書のある漫画史研究の泰斗でいらっしゃいます。
最近、学会発表や学位論文でも漫画への取り組みが目立ってきました。近現代日本の文化史上、最も大きな問題は漫画に集中しているといって過言ではないでしょう。この漫画史研究の先駆者の一人が、清水先生なのです。
当日配布した、A3判で3ページにわたる資料には、北斎漫画から長谷川町子まで、珍しい図版が目白押し。そのほか「磯野カツオ-サザエをもり立てた名脇役」(帝京平成フォーラムVol.2、帝京平成大学、2006年1月)という興味深い論考のコピーまで。
北斎漫画に見る四コマ漫画の起源。大正期までは数十人を数えるだけだった漫画家が、今の隆盛を見た背景。漫画史を大きくとらえたお話から、田河水泡から長谷川町子への影響まで、深く濃い90分間でした。
当日は、長谷川町子美術館館長の川口淳二さんもお見えになりました。長谷川町子の執筆と生活を長く支えてきた川口館長に、生前の人となりについて伺う場面もありました。とてもぜいたくなイベントになったと思います。