【超おすすめ】9月16日(日)は河田明久氏のフジタばなしを!

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〈正・誤・表〉展のシリーズレクチャー『美術と世の中、とか外』第2回は、9月16日(日)午後2時より。千葉工業大学教授・河田明久さんによる、「大正ボーイ・藤田嗣治は、昭和の戦争をどう描いたのか」です。

かつて藤田嗣治と言えば、エコール・ド・パリの巨匠、としてのみ語られることが常でした。彼が戦時下に戦争画(陸軍作戦記録画)を描いていたことを知る人は少なく、それを現に見たことのある人はもっと少なかった。ひと昔前まで、戦争画は美術史・美術館のタブーであり、公開の目処も立っていなかったのです。ところが今や、藤田といえば戦争画、というくらい、状況は大きく変わりました。これを収蔵(アメリカ合衆国より無期限貸与)する東京国立近代美術館にも、今では藤田たちの大作を常設するフロアが設けられています。

日本近代美術史という研究分野で、この変化をほとんど独走的にリードしたのが、河田明久さんでした。彼の充実した研究が、世の中の認識を変えるに至ったのです。その河田さんのライブな語り口の魅力を、ぜひ皆さんにもお届けしたいと願っています。確かな事実の指摘をじわりじわりと積み重ね、時に説得力あるクールな解釈も示されますが、語り口はあくまで穏やか。そしていつの間にか、聴く者は驚きの地平へと連れて行かれてしまう。良質な知性が美術史研究を手がけると、それは一つの「芸」としても成立してしまうのです。

美術史の面白さを、ぜひ会場で。

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シリーズ・レクチャー「美術と世の中、とか外」

第2回「大正ボーイ・藤田嗣治は、昭和の戦争をどう描いたのか」

会場|当館・企画展示室内(事前申込不要、要・展覧会観覧券)

講師|河田明久さん(千葉工業大学教授、日本近代美術史)

日時|2018年9月16日〔日〕 午後2時~(約90分)

http://www.ncam.jp/exhibition/4576/