式場隆三郎:脳室反射鏡

この展覧会は終了しました 企画展
会期

2020年08月08日(土)から
2020年09月27日(日)まで

休館日

月曜日〈ただし810日、921日(月・祝)は開館〉、

811()923()

時間

午前9時30分から午後6時まで
(券買は閉館30分前まで)

会場

企画展示室

観覧料

一般1,000円(800円)

大学生・高校生800円(600円)

中学生以下無料


展覧会概要

  式場隆三郎(18981965)は現在の新潟県五泉市に生まれ、新潟医学専門学校(現・新潟大学医学部)に学んだ精神科医であった。医業のかたわら、民藝運動、ゴッホ論、精神病理学入門、性教育書に至る驚くべき健筆をふるい、生涯の著書は約200冊に及ぶ。ゴッホ複製画展や山下清展などの事業も手がけ、広範な大衆の関心と趣味を先導した。式場の多分野にわたる啓蒙的な活動は、私たちの芸術観の形成(例えば、「天才/狂気」「制作/宿命」「芸術/生活」)といった観念連合)にあずかるものであった。幅広く時代に導かれ、幅広く時代を導いた式場は、近現代日本の文化史に重要な文脈を与えたのである。

 可視(科学)と不可視(芸術)の両極を往還した特異な個性を評する文字として、本展の副題を式場の著書(1939年)から採って、「脳室反射鏡」とした。その多彩な足跡を約200点の作品・資料を通じてたどる。

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展示構成

■芸術と医学 ~式場隆三郎の青年期
式場は新潟市での医学生時代に白樺派に傾倒、武者小路実篤、柳宗悦、岸田劉生らの知遇を得る。同級の吉田璋也、橋本敬三らと同人誌『アダム』を創刊。新潟市内で泰西美術複製展覧会や、実篤、宗悦の講演会などを開き、実篤が提唱する共同体「新しき村」の新潟支部を名乗った。式場は、宗悦による木喰仏の全国調査に協力するなど、民藝運動にも同伴。さらにはゴッホの精神病理学的な研究に手を染める。当時の貴重な資料を通じ、若き日の式場を育んだ大正期の文化環境をみる。

式場隆三郎(装幀・芹沢銈介)『ファン・ホッホの生涯と精神病』1932年

 

 

■芸術と宿命 ~美術と文学をめぐる仕事
式場が戦後に全国巡回させたゴッホ複製画などを紹介する。これらは、多くの日本人が初めてみたゴッホ作品であり、「炎の人」としてのゴッホ像を決定づけた。また、式場は東京深川の特異な住宅建築≪二笑亭≫を見出し、山下清のプロモーターを務め、初期の草間彌生を支援し、北条民雄・永井隆・三島由紀夫とも親交する。式場は著書『宿命の芸術』(1943 年)の序文で、「宿命的な芸術家」に「健全な人生に対する憧れと、誠実な自己省察」の姿勢を見出す。そこには、人間性の中心と周縁を同じ平面上に見る視野があった。

木村荘八《『二笑亭奇譚』挿絵「入口ホール」》1949年、式場旧蔵

ゴッホ複製画展ポスター(新潟大和、1955年、式場旧蔵)

 

■芸術と生活~民藝運動との関わりを中心に
式場は学生時代に柳宗悦を知り、生涯にわたって「私の芸術に関する恩師」と仰いだ。彼は民藝運動に初期から参画、芹沢銈介、バーナード・リーチ、富本憲吉らとも親交を結んでいる。式場邸(現存)の設計には、宗悦や濱田庄司、河井寛次郎が携わっており、いわゆる「民藝建築」の代表作となった。一方、彼は『人妻の教養』『結婚の饗宴』『独身者の性生活』といった著作でジャーナリズムの寵児となり、出版社やホテルの経営にも関わっている。広く雅俗をまたいだ式場の活動には、人間とその生活への深い愛着があった。

「自ら図案を手掛けたゴッホ浴衣の前にいる式場」

 

 

 

 

連続講座「われらの式場隆三郎」

要約不可能な知的巨人、参照点を高密度につめこんだ展覧会。ここでは四つの補助線を錯綜させ、更なるカオスを招きます。

第1回「序論・式場隆三郎のはじまり」8 月9 日(日)
講師:藤井素彦(本展企画者、新潟市新津美術館学芸員)

第2 回「民間学への出立-式場隆三郎の眼差し」8 月16 日(日)
講師:森仁史氏(日本工芸・デザイン史、山鬼文庫代表、元金沢美術工芸大学大学院教授)

第3 回「式場隆三郎と障がい者アートをめぐって」8 月29 日(土)
講師:前山裕司(新潟市美術館館長)

第4 回「式場隆三郎と〈裏〉日本」 9 月13 日(日)
講師:藤井素彦(本展企画者、新潟市新津美術館学芸員)

各回とも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14:00~15:30 (受付 13:30~)
会場:講堂

申込み不要、聴講無料、定員50 名(先着順)

※新型コロナウイルス感染拡大防止策として、講座ご来場の際に、氏名・住所・電話番号の提供をお願いいたします。
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