新潟市美術館ブログ

不思議なお店と楽しいトーク?!

企画展「北大路魯山人」・コレクション展「明日の新潟」ともいよいよ明日が最終日!
今日は今季コレクション展最後となるギャラリートークを行いました。

担当した児矢野学芸員が注目したのは、絵の中の「白」。
常設展示室の入口を飾る丸山直文《丘と蝶》、繰り返し描かれたドローイングも写真で紹介しながら、
具象と抽象のあわいをゆく画家の試みに迫ります。
下地を塗らず、ステイニングという直接画布に絵具を染み込ませるように描く技法にも注目し、
それが具象でありながらわたしたちの想像力を働かせる余地を残していることをひもといていきました。
絵の中の白い部分は、キャンバスそのままの生地を覗かせ、
一見地面なのか特定しがたいこの絵のゆらぎに似た効果にも関係しているようです。

 

富岡惣一郎《雪 信濃川 川口》では、特徴的な鳥瞰の発想をどこから得たかについて解説。
また、この雪の白さを出すのに画家が凝らした二つの工夫についてもご紹介しました。
新潟の人にはおなじみの雪景色。お客さまもうなずきながら聞き入っていらっしゃいました。

さて、Lounge Nでは気ままプログラム「西大畑陶房」も絶賛営業中。
会期末になるほど品物が増えるという世にも不思議なお店です。
思い思いに趣向を凝らした魯山人顔負けの色とりどりの器を取り揃えておりますので、覗いてみるだけでもぜひどうぞ!